2016年11月13日日曜日

捨自従人という事

太極拳のなんたるかを示した太極拳経に「捨自従人」という言葉があります。この捨自従人は一般的には字の通り自分を捨てて相手に従う事と了解されています。 これはあくまで動きがそうであるという事よりも深い意味を持っています。即ち動きだけで相手に従っていても自分の我が出ていたり、意念が出ていたりすれば捨自従人の狙いを全て満たしている訳ではありません。 例えば動きを相手に従うようにしてもいつでも反撃しようという気持ちがあれば逆に相手に崩されてしまう事になります。自分を捨てるという事は自分から意念を出す事なく相手に従っていくという事です。そうすれば相手の意念が出てくるようすが良く分かります。それを捉えます。その捉え方も無理の無い捉え方をします。即ち意が出てくるという事は気も出てきます。その全体の流れを把握して流れに沿った方向で流してあげると相手が崩れる事になります。即ち捨自従人は相手の意念を捉えるレーダーを敏感にするという意味もあるという事です。最初から最後まで相手の意の流れを捉えそれに従って流していけば一連の気の流れが出来、容易に相手を崩せる事になるのです。

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